江別市で起きた「違法建築問題」をめぐり、パキスタン人住民への嫌がらせや誤情報が拡散。爆竹投げ込み、SNSの切り取り動画、中傷の実態を事実に基づき整理し、市の対応や統計データから問題点をわかりやすく解説します。
目次
江別市で起きている「違法建築」騒動とは?
SNSでの誤情報拡散や嫌がらせ行為により、江別市内のパキスタン人住民が深刻な被害を受けています。
中古車解体業を営む一部のパキスタン系事業者が「違法建築をしている」と批判され、SNSでは「強制送還しろ」「テロ国家だ」といった過激な投稿も増加しています。
さらに爆竹や花火を敷地に投げ込まれる嫌がらせが相次ぎ、子どもの通学を控えるケースまで出ています。
SNSの動画は“切り取り”? 現場では嫌がらせが継続
10月中旬、角山地区の中古車解体業者の敷地前で若者による爆竹投げ込みが発生し、その後もロケット花火の打ち込みが続きました。
経営者の証言によれば、嫌がらせは「ほぼ毎日」続いたといいます。
SNS上では「石を投げられた」という動画が拡散されましたが、防犯カメラ映像には若者が先に爆竹を投げ込んでいた様子が記録されており、動画が意図的に切り取られた可能性が指摘されています。
爆竹や花火の投げ込み行為は威力業務妨害罪や暴行罪にあたる可能性があり、すでに警察へ相談が行われています。
違法建築の大半は日本人によるもの
角山地区は市街化調整区域に指定されており、建物の建築には許可が必要です。
江別市によると、市内の違法建築物76件のうち、角山地区には二十数件が存在し、その半数以上が日本人系、残りがパキスタン系とされています。
市は9月と10月にパキスタン系事業者へ行政指導を実施し、モスクの移転・撤去の意向が示されましたが、期限は設けられておらず、現在も使用されています。
誤情報と中傷が拡大
パキスタン人住民は2025年時点で224人と急増していますが、SNSでは「犯罪が増える」といった根拠のない中傷も広がっています。
しかし、北海道警の統計では2015〜2025年の10年間でパキスタン人による摘発件数はわずか26件です。
中傷を受けた解体業者の男性も「永住者」として正規に事業許可を取得し、納税も行っています。
市長「一方的な迫害は違う」
SNSでの断罪行為について専門家は「私刑にあたる」と警告しています。
後藤市長も「誹謗中傷は事実と異なる。一方的な迫害は違う」と述べ、国籍に関係なく適切に対応していく考えを示しました。
今回の問題は、行政課題である「違法建築」と、社会問題である「誤情報・偏見・差別」が複雑に絡み合って発生しています。
江別が多文化共生のまちとして歩むためにも、事実に基づいた冷静な判断が求められます。
参照記事:北海道新聞「江別の違法建築問題、パキスタン人への嫌がらせに発展 花火打ち込み、SNSで「テロ国家」…登校見合わせる子も」
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