北海道江別市で暮らすパキスタン人への誹謗中傷やロケット花火事件が発生。背景に何があるのか、HTB北海道ニュースの取材をもとに詳しく解説します。
目次
江別市で何が起きている?パキスタン人コミュニティへの誹謗中傷と花火事件の真相
北海道江別市で暮らすパキスタン人への誹謗中傷や、ロケット花火を撃ち込む事件が発生しています。
この記事では、HTB北海道ニュースの取材内容をもとに、問題の背景と地域の現状をまとめました。
江別市で広がる誹謗中傷と“花火事件”
江別市には約200人のパキスタン人が暮らしており、多くが中古車の輸出や解体業に従事しています。
正式なビザや古物商の免許を取得し、地域に根ざした生活を送る人もいます。
しかし最近、ネット上で「不法占拠」「不法労働」といった誤った情報が拡散し、モスクや仕事場を撮影した動画が誹謗中傷の対象となっています。
モスクは違法建築?背景に“市街化調整区域”の問題
発端は、市街化調整区域での違法建築問題。
市の調査でモスクは建築が認められない区域にあることが判明し、是正指導を受けました。
ただし、この区域には少なくとも76件の違法建築物があり、その多くは日本人が建てたものです。
それにも関わらず、ネット上ではパキスタン人のみが責められる風潮が生まれました。
危険な嫌がらせも…ロケット花火を撃ち込む事件
2025年10月中旬、市内の中古車販売店に勤務するパキスタン人が被害に遭いました。
複数の男たちが「外人こりゃぁ!」と叫びながら爆竹を鳴らし、翌日には防犯カメラが店にロケット花火を撃ち込む様子を記録。
火災やけがの恐れがある危険な行為が数日間続いたとされ、警察に被害届が提出されました。
「事実と違う」パキスタン人側の主張
パキスタン人たちは、「一部のユーチューバーの発信内容は事実と異なる」と話します。
モスクに「興味がある」と言って訪れたのに、後日「囲まれて怖かった」と動画で伝えるなど、誤解を招く発信が相次いでいます。
実際には警察へ通報するなど、トラブル回避に努めていたといいます。
モスク移転を検討中「不法滞在はいない」
モスクの責任者は「建築が許可されない区域だとは知らなかった」と説明し、現在は合法的に建てられる土地への移転を検討中です。
「不法滞在者はいない。パキスタン人を悪く思わないでほしい」と訴えています。
ユーチューバーの主張と専門家の見解
ユーチューバー側は「行政の対応を問うための取材だった」と説明していますが、結果的に誤解を招いたことを認めました。
野村和宏市議は「外国人を排除するような風潮は作ってはならない」と強調。
北海学園大学の宮入隆教授は「嫌がらせは信頼を壊す。
日常的な交流が大切」と指摘しています。
放送内容番組Youtube(HTB公式)
以下は、YouTubeの書き起こしです。
去年8月、HTBが取材した江別市に住むパキスタン人。
この時は数多くのパキスタン人が取材に答えてくれました。
しかし、今ほぼ全てのパキスタン人がカメラの取材を拒否しています。
背景にあったのは、ネット上で広がる様々なパキスタン人に対する憶測と誹謗中傷でした。
さらに、パキスタン人の会社に向かって放たれる花火。
今一体江別市で何が起きているのでしょう?
およそ200人のパキスタン人が暮らす江別市。
中古車の流通が多い江別市で、パキスタン人の多くは中古車の解体や輸出の仕事に関わっています。
彼らは市内にイスラム教の宗教施設のモスクも立てました。
仕事をするため、日本のビザを正式に取得し、古物商の免許も得て、10年以上江別市に住んでいる人もいます。
しかし、今パキスタン人の仕事場やモスクを撮影した動画がネット上に上がり、不法占拠や不法労働をしているのではないかという指摘が相ついでいます。
江別市に住む人たちは、法にのっとっているのであればなんかいいのかなと思うんですけど、なんか結構違法ではあの辺にいるのかなって考えるとなんかそれはどうなのかなと思いますし、ま、い言いすぎって言ったらあれですけど、ま、ちょっと誇張しすぎなのかなって思います。
動画が広がったきっかけはノースサファリ札幌などで問題となった市街科化調整区域の違法建築にあります。
9月の江別市議会でこの問題が取り上げられました。
市街化調整区域内に存在する礼所に対して、これまで市が行政指導や何らかの対応を行った事例があるのか。
角山地区の礼拝所は令和3年9月のパトロールの際に建物の存在を確認しております。
後日、関係者からの聞き取りにより都市計画法に適合する建物でないことを確認したことから、違法建築物と認定し是正指導を行っております。
このモスクは違法建築物でした。
江別市によると原則として建物の建築が認められない市外化調整区域内で少なくとも76件の違法建築物が確認されています。
市によると、パキスタン人が経営すると見られる会社も複数含まれていますが、違法建築の大半は、日本人が立てたものだということです。
しかし、ネット上では76件全てがパキスタン人によって立てられたと取られかねない情報が広がり、誹謗中傷が相次ぎました。
複数のYouTuberがモスクや仕事場を訪れて撮影を行い、日本人は帰れと言われた。
モスクに連れて行かれてパキスタン人に囲まれた。
パキスタン人に追いかけられたといった内容の動画を配信しました。
さらに、先月中旬、市内の中古車販売店に務めるパキスタン人が店の中から撮影した映像です。
車でやってきた男達が店の前で叫び爆竹のような音を鳴らします。
こちらは翌日店に設置された防犯カメラで撮影された映像。
複数の車で乗り付けた男たちが、店に向かって次々とロケット花火を打ち込んでいきます。
火事や怪我などにつがりかねない危険な行為。
パキスタン人によると、先月はこのような行為がほぼ毎日続いたこともあったということです。
パキスタン人は警察に提出し、被害届けを出しています。去年8月、HTBの取材に江別のパキスタン人らは積極的に応じてくれました。
地域の日本人と交流するイベントなども催され、有効的なムード一食でした。
しかし今回江別に住むパキスタン人は、誰もテレビの取材に答えなくなりました。
理由は、誰かが放送を切り取った映像がネット上で拡散され、誹謗中傷や炎上に利用されかねないからだと言います。
そんな中、日本人の関係者に通訳してもらうという条件をもとに、あるパキスタン人が取材に応じてくれました。
ある会社の看板とかを勝手に撮り始めたと。
それを見てあるパキスタ人の方が来て、勝手にその写真撮るなとした。
それを日本人帰れって言われたって言ってるんじゃないかって。
パキスタン人はネット上に上がる動画は事実と違うと話します。
もし見たパキスタンの人にイスラム教に興味があるから、中に入れさせてくれないかとお願いしましたと。
そこにいたパキスタンの人はいいですよって。
その後その人が配信したYouTubeを見てみると「モスクに連れて行かれて囲まれて怖い思いをした」とでモスクの中に連れて行かれて。
またあるYouTuberはモスクや仕事場の敷地内に入り込み、パキスタン人に話しかけ一方的に動画を撮影したと言います。
もう最初から喧嘩越しというか、あえてこう揉めるようなものの言い方で煽ってきたと、パキスタンの方が警察にその時電話しました。
警察呼ぶって分かったら、そのYouTuberの人は逃げてってんですけどしたらあの警察はその車のナンバープレートを教えてくれと。
パキスタンの人はすぐにその車を追いかけていって、ナンバープレートを記録したところで戻りました。
その後、YouTubeにはパキスタン人に囲まれ追いかけられたといった内容の動画がアップされたと言います。
一方、違法建築物であるモスクについては、現在パキスタン人の責任者たちが、今後について市と話し合いを進めているということです。
彼はあそこ自分の土地なので、あそこ建物を、立てたんですけど本当は立てたらダメな場所というのは後から知った。
モスクのある場所はきちんと建物立てていい場所に移るように場所を探しています。
あそこには津方滞在者もいないし、もしそれで(在留)カード、見せてくれっていうんだったら見せるし、もしそれで不法滞在者がいるのであればどんどん捕まえてくださいって警察に言う。
そこで解体していいですよっていう許可免許も持ってます。
パキスタン人をみんな悪い人って思わないで欲しいです。
なぜYouTuberらはパキスタン人に関する問題を取り上げたのか。その1人が私たちの取材に答えました。
日本人や外国人問わず、どうして違法状態に対処できていないのか。
そうしたテーマで配信しているのであって、私が廃斥をしている先動しているという指摘については、全く的外れであり、受け取り手の読み取り不足だと考えます。実際にこうした動きが、私の動画を見て出てしまったのであれば、私も伝え方に課題が残ったとも思います。
江別市議は動画によるパキスタン人への影響を懸念しています。
動画に出ている情報っていうのは、でたらめですっていうことをはっきり申し上げたいです。
善良に働いていらっしゃるパキスタン人め外国人の皆さんを、こう押しのけるような出てけみたいなそういう風潮は絶対作るべきではないですという風には考えています。
外国人労働者や他文化共生に詳しい専門家は、パキスタン人への不信感が強まることに警鐘を鳴らします。
花火を爆竹をやられたりとか(されると)余計に不審感が地域に対して広がって、
それで(パキスタン人が)孤立してしまって内側に入ってしまうってのは1番危険なんです。
日本人のその生活習慣とかっていうものに全く興味を持たなくても生活できることになれば、ちょっとした出会い頭で喧嘩になったりってことはありえる。
日々お互い交流する接点を持っていくっていうのは1番重要なんですね。
今後ますます内で暮らす外国人は増加すると言われています。
江別で起きている問題は、決して見過ごされるものではありません。
江別から考える「多文化共生」のこれから
外国人労働者が増える中、江別で起きた問題は北海道全体にも関わる課題です。
文化や背景の異なる人々が安心して暮らせる地域づくりには、理解と対話が欠かせません。
参照記事:HTB公式サイト「【追跡】北海道江別市 パキスタン人への“誹謗中傷”ネット上で広がりロケット花火撃ちこみも 一体何が?」