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江別に港があった
北海道の主要道路がまだ未舗装だった明治時代、江別では石狩川が生活に必要な輸送経路や交通手段として利用されていました。現在その場所は標柱のみ立てられていますが、江別河川防災ステーションの2階には、当時使用されていた川船のレプリカ上川丸が展示されています。
明治期は、現在の江別駅周辺が街の中心として栄えました。この周辺が重要な輸送手段の場所であり、倉庫群もありました。
1881(明治14)年から樺戸集治監の常備船が就航しています。1884(明治17)年は、石狩・樺戸間江別経由で定期的に客貨輸送が始まりました。
江別河川防災ステーションについて
水防資器材の備蓄、水防活動の拠点基地や災害時の避難場所として活用される場所です。1階は江別市の特産品の販売、煉瓦や防災情報の展示、2階には川を題材とした歴史や恩恵の展示がされています。
洪水に見舞われた昭和50年と昭和56年
江別河川防災ステーション横の千歳川対岸の堤防には、1975(昭和50年)と1981(昭和56)年に起こった洪水の形跡を見ることができます。堤防に引かれている白い線が、1975(昭和50年)に起こった洪水の水位です。赤い線が、1981(昭和56)年に起こった洪水の水位として線が引かれています。
江別河川防災ステーションの上川丸レプリカ
中央部に機関室、後ろには客室と貨物室、上にある甲板には操縦室があります。船底は平坦で、1m前後の水深でも航行が可能でした。渡航の速度は、上りは早足、下りは駆足くらいの早さでした。上川丸の長さは25m、幅6.2m、定員60名です。
ヤツメウナギ漁で使用されたカヤどう
高さ150cm、口径80cmほどの半紡錘形の形をしています。ナイロン網を使用した網どうもありますが、江別では伝統的なカヤどうが多く使われています。江別のヤツメウナギ漁は、1900(明治33)年に、現在の美原付近で始まりました。ここ数年は、川の環境の変化により、ヤツメウナギの漁獲量が少なくなり、食べれる機会も少なくなってきています。
重兵衛渡し
1894(明治27)年に、屯田兵が日清戦争で招集されたことで、福井県出身の武田重兵衛が北海道庁の許可により、渡船経営が始まりました。1902(明治35)年に、渡船経営が部落に引き継がれ、石狩川と現在の千歳川の合流地点より400m上流に移りました。現在の江別駅周辺と美原、当別や新篠津方面への交通の拠点となっていました。1920(大正9)年に石狩大橋が完成し、利用者が減少しています。重兵衛渡しは、1970(昭和45)年まで続き、1971(昭和46)年3月で廃止となりました。
1889(明治32)年には、渡航中に重兵衛の三男と乗客7名が悪天候による事故で無くなられています。1930(昭和5)年には、渡し船が横倒しになり、小学生13名が亡くなられる悲しい事故も起きています。
参考文献:史跡が語る江別の歩み、江別探訪ガイドブック
江別河川防災ステーション住所とアクセス地図
住所:江別市大川通6